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2012年07月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.13 | ハワイのバイリンガル事情 その13 ~グローバル時代の子育て~

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは無料で引用・転載可能です。引用・転載をする場合は必ず下記を引用・転載先に明記してください。

引用・転載元:
http://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-1207
パルキッズ通信2012年07月号ハワイアン子育てジャーナル『ハワイのバイリンガル事情 その13 ~グローバル時代の子育て~』(著)船津徹 ©株式会社 児童英語研究所


 私が塾長を勤めるTLC for Kidsにはアメリカ人子弟の他にも、日本、韓国、中国、シンガポールなどアジア各国からハワイに移り住んできた移民家庭の子どもたちが通っています。様々なバックグランドを持つ子どもたちと接していると、それぞれの国の教育に特徴があることが分かります。同時に日本の教育に足りない部分、言い換えると、日本人の子どもたちが国際社会で活躍する人材へと成長していくために必要なものが見えてきます。

 科学技術の発達によって世界はどんどん小さく、国境線は薄くなってきています。政治・経済・ビジネス、あらゆる分野においてグローバルな関わり合いが要求される現代社会。そこで活躍していく人材にとって必要な資質は、地球的視点から発想できる「思考力」、自分の考えを持ち、正確に伝えることができる「言語力」、そして世界中の人たちと友好な関係を築くことができる「コミュニケーション力」です。今回は日本の教育で見落とされている「考える力」についてお話します。


|なぜ考える力が必要なのか

 アメリカの学校教育では、特に初等教育において、考える力の育成が強調されます。教育の目標は子どもたちが実社会で生活していくために必要なスキルを身につけさせることです。様々な知識や情報に簡単にアクセスできる高度情報社会では、教科書知識を暗記することよりも、知識や情報をどう取捨選択し、活かしていけるかを考える力を養うことが重要です。

 先生は授業中に「本当にそうなのか」「なぜそう思うのか」という問いを絶えず投げかけます。子どもたちは教えてもらうのではなく、自ら考え、自分なりの答えを導き出す思考プロセスを学んでいきます。自らに問いかけを繰り返し、深く考えるトレーニングを繰り返すことで、子どもたちは何事にも問題意識を持ち、自分の答えを自分自身で選択していく思考習慣を身につけることができるのです。

 アメリカの小学校に子どもが通い始めた時に日本人の親が驚くのは教科書がないことです。いったい授業では何を教えているのか、日本人の親は一様に不安になります。アメリカでは、小学校から、小人数グループによる生徒参加型の授業スタイルが一般的です。生徒は与えられたテーマについて自分で考え、考えを人に伝え、グループの意見としてまとめていく作業に参加します。授業に参加することで生徒は学習意欲が高まり、考える習慣が身につき、結果として学習内容への理解を深めていくことができるのです。


| 考える力を支えるのは国語力

 子どもの考える力を育てる上で欠かせないものが国語力です。理解力、語彙力、表現力などが豊かに育っていない子どもに高次の思考を求めても無理というものです。そのためアメリカでは小学校から国語(英語)が徹底的に指導されます。英語の授業は、読解、作文、文法、語彙と細分化され、それぞれが系統的に指導されていきます。小学校低学年では特に読書教育に重点が置かれ、毎日のように大量の読書が要求されます。これは国語力の土台を強化すると同時に「子どもが自分で読んで、理解し、考える力」を身につけさせるためです。カリフォルニア州が始めた「Reading By 9」という読書啓蒙活動は「9歳までに読書力が身につかないと一生アカデミックな力がつかない」と警告しています。

 子どもの考える力を育てるには、家庭においても読書を支援することが重要です。乳幼児期の絵本の読み聞かせから始まり、子どもが自発的に読書を楽しめるようになるまで、しっかりとサポートしてあげてください。読書力が定着すれば、論理的思考力はもちろん、学校の勉強から外国語の習得まで、すべての学習活動が非常に楽に行なわれるようになります。


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プロフィール
船津 徹(Funatsu Toru) 1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2001年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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