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2011年09月号ハワイアン子育てジャーナル

Vol.3 | ハワイのバイリンガル事情 その3 自己表現力を育てる

written by 船津 徹(Toru Funatsu)


※本記事のテキストは無料で引用・転載可能です。引用・転載をする場合は必ず下記を引用・転載先に明記してください。

引用・転載元:
http://www.palkids.co.jp/palkids-webmagazine/hawaiian-journal-1109
パルキッズ通信2011年09月号ハワイアン子育てジャーナル『ハワイのバイリンガル事情 その3 自己表現力を育てる』(著)船津徹 ©株式会社 児童英語研究所


 一般に日本人の子どもはアメリカの子どもに比べて自己表現が控えめで、自分の意見をはっきり述べようとしません。日本人が礼儀正しく、謙虚を重んずる国民性なのは、欧米社会でもよく知られ、好意的に評価されています。しかし、そんな控えめな日本の子どもたちがアメリカの学校に通い始めると、授業で困った問題に直面するのです。
 欧米の学校では、生徒が自分の考えを持ち、発表し、議論に参加することが強く要求されるのですが、日本人家庭に育つ子どもは、英語力に何ら問題がなくても、発言をためらう傾向があります。アメリカでは授業中に発言しない生徒は授業に「参加していない」とみなされ、テストで良い得点をとっても、成績評価が下がってしまいます。


|日米コミュニケーションスタイルの違い

 ほぼ単一民族国家である日本では「以心伝心」「空気を読む」など、言葉で伝えなくても察し合える非言語コミュニケーションが通用します。一方、多様な人種、民族、価値観が混在するアメリカでは、自分の考えを言葉で表現しなければ相手に正しく理解してもらえません。多文化社会において意思疎通を円滑にするためには、お互いの意見の違いを明確にした上で、相手を理解しようとするコミュニケーションスタイルが必要なのです。
 また、日本の育児観では、個性よりも協調性が高いこと、自己主張よりも従順であることが「良い子」の条件と考えられています。子どもが自分の意見や好き嫌いを主張すると「我がまま」や「生意気」とマイナスに捉えられることがありますね。このような、集団、調和、協調を重んずる文化や気質を親から受け継いだ日本人の子どもたちが、自己表現をためらい、議論や衝突を避ける性格に育つのはうなずけることです。


|自己表現力は家庭教育で育つ

 欧米の子どもたちは皆生まれつき自己表現が得意かというと、そんなことはありません。自己表現力の必要性を実感している親によって彼らは幼い頃から訓練されているのです。欧米の子育ては、個人主義に価値が置かれ、子どもが自分の意思を持ち、それを表現することが重視されます。これは子どもが生まれた直後から母子のコミュニケーションを通して教えられ、成長に応じて段階的にトレーニングされていきます。
 一例ですが、子どもが2、3歳になると「イヤッ」という反抗が増えてきます。日本では「反抗期」というと早く過ぎ去ってほしい面倒な時期としてネガティブに考えられていますが、自己表現を重視するアメリカでは、「健全な衝突」としてポジティブに捉えられています。自分の好みを追求すれば他者との間に衝突が生じるのは当然で、お互いの欲求にどう折り合いをつけるかを学ぶ機会であり、社会性を築くための重要なステップというわけです。
 もちろん日本人の子どもも意見や考えを持っています。ただそれを「言葉で表現する」訓練が家庭で行なわれていないのです。何も欧米流の個人主義を叩き込めというのではありません。日本人の価値観やアイデンティティを維持しつつ、必要な場面ではしっかりと自己表現できるように家庭教育で導いてあげることが大切なのです。


|指示・命令・否定・批判をしない

 子どもの表現力を引き出すのがお母さんとの楽しい「対話」です。しかし、残念ながら、お母さんが子どもに使う言葉の多くは、指示・命令・否定・批判です。これらは一方的な言葉であり「対話」を前提としていません。はじめは一日だけでいいですから「早く!」「ダメッ!」「いうことを聞きなさい」「何でできないの」の四つをやめましょう。対話は相手の話を聞くことから始まります。子どもの言葉に耳を傾けましょう。


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プロフィール
船津 徹(Funatsu Toru) 1966年福岡県生まれ。1990年明治大学経営学部卒業。教育コンサルタント。米国法人TLC for Kids代表。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。「パルキッズ」「パーフェクトイングリッシュ」など、しちだ式英語教材制作に従事。2001年ハワイ州、ホノルルにて移民のための学習塾TLC for Kidsを設立。2015年にはTLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校を設立。アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上の子どもの教育に携わる。同氏が手掛けたフォニックス教材は全米で25万人の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位にランクイン。音楽と演劇を組み合わせた独自の教育メソッドは全米で注目されている。著書に『アメリカ最先端の英語習得法』(現代書林)。一男の父。一人息子は日本語・英語・中国語を操るトリリンガル。バラック・オバマ大統領の母校ハワイのプナホウスクールを卒業。ドナルド・トランプ氏の母校であるペンシルバニア大学ウォートンスクールに在学中。

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